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英国 家具 パティナを愛でよ

英国家具には、長い年月をかけてできた色の艶や、使い込んだ時に出てくる自然なあじわいがあります。この自然な艶が魅力的で、英国家具を好まれている方も多いはず。僕もその一人ですが、この艶の事を、パティナって言います。日本で言うところの、古艶(ふるつや)です。
英国には『パティナを愛でよ』っていう言葉があります。言葉というか、文化ですかね。
生活の中でついた手あかやよごれ、キズ、昔だと暖炉から出た細かいススの粒子がワックスと共に刷り込まれ、味わいのある光沢へと変貌して行きます。
家族の歴史と共に、家具に味わいある表情が艶として積み重なっていくのです。そんなイギリスの方々の生活を素敵だと思いますし、そんな風に愛でられるオリジナル家具を製作して行きたいと考えています。(只今、試行錯誤製作中)

この美しいパティナを作るには、塗装に秘密があります。
シェラックというニスです。
世界には天然塗料と厳密に言えるものは2つありますが、それが漆とシェラックになります。
むずかしい説明は置いておいて、なにが違うのか簡単に説明すると、
現代の家具に使われている科学的な塗料は、非常に強固で強いのですが、塗膜にキズがついてしまうとその固さが逆に修復の困難さを生みキズがキズとしてしか残りません。
かたや、シェラックは科学塗料に比べればやわらかいのですが、修復が容易にできます。その修復、メンテナンスの過程でパティナが産まれるのですが、キズやよごれが風合いとして変貌していくところが、大きく違うところになります。
そんな理由で、アンティーク家具にはシェラックが使われていることが多いのです。

当店の直営ショップ『TORRINGTON TEA ROOM』に来て頂けると、シェラックを使ったテーブルと、ウレタン塗料を使ったテーブルを置いていますので、紅茶を飲みながらその違いを見る事もできます。
 そういえば、ちょうど時期的にバレンタインですが、このシェラック天然なのでチョコに光沢を出すのに使われたりするんですよ。なんだかテーブルからあまーい匂いがして来そうですね〜。

『CAPANNA ROOM DECORATION』